販売員は、店頭に立ってお客様のお買い物の手助けをする仕事です。店には、実に様々なお客様が来店されます。多くのショップには、必ずファンの方が付いていて、ヘビーユーザーのお客様がいらっしゃいます。私も職業柄、いろんなお客様を見てきましたが、愛されるお客様には共通している行動パターンがあります。今回はショップ内でスタッフから愛されるそんな素敵なお客様にまつわるお話です。
１）忙しい時間を外して来店
お客様が店内に、大勢いらっしゃることは販売スタッフとしては、もちろん嬉しいことです。しかし混雑した店内に、常連のお客様の来店があると様子が変わってきます。当然、担当のスタッフの手がとられて、店内はやや混乱することでしょう。担当スタッフの手が塞がっていれば、せっかく来店されても満足にお話しもできず、スタッフとしても申し訳ない気持ちになってしまいます。そんな時、スタッフから一目置かれるお客様は、混雑する時間帯を外して来店されます。ちょっと他の用事を先に済ませたり、カフェで時間調整したり、と店のスタッフに対するさりげない気配りができるのです。また、混雑時には自分以外のお客様に対応するよう促がしてくれます。そのようなお客様は事前にスタッフと連絡を取ってアポイントを入れた上で来店されて、ゆっくりと、洋服以外のお話しもしながら接客を受けたいと思っています。そんなお客様はショップにとっては宝物のような存在ですから、全てのスタッフから最優先でサービスを受けることができるのです。
２）購入までの決断が早い
ショップから一目置かれるお客様の特徴として、決断が早いことが挙げられます。基本的に、担当スタッフとの信頼関係ができているので、スタッフ側もそのお客様が好みそうな一番自信のある商品をおすすめします。スタッフはもちろん、その日の売り上げが欲しいのでその時点で店内にある商品の中から、何かを購入して欲しいと思っていますが、このレベルのお客様には軽々しく何でもすすめることはありません。購入することで、その方にプラスになる物、恥を欠かせない物をすすめようとするので、そのような商品が店内に無い場合は、無理にすすめません。そんな行動がお客様との信頼関係をより強くするので、担当スタッフのおすすめ商品に対して時間をかけることなく、購入の決断をするのです。また、そんなスペシャルなお客様には、事前にどのような商品が入荷するのかをスタッフが紹介したり、オーダーの際にそのお客様用に仕入れたりする為、購入までのスピードは必然的に早くなります。
３）セールになる前に購入する
ショップにとっては、セールは少し憂鬱なイベントでもあります。もちろん、お客様に感謝の気持ちでシーズン物を値下げするイベントですから、ショップにとってはシーズン物を消化して換金するという意味でも重要なイベントには違いありません。しかし、セールの時期だけ来店されて、この色のこのサイズは無いのか、というお客様もやはり多いのが現実です。スタッフからしてみれば、シーズンオフの近いタイミングだけ来店されても好みの商品がないのは当然なので、そんなことを言われても…となる訳です。ショップスタッフから信頼されているお客様は、気に入った商品は必ずセールになる前に買ってしまいます。スタッフは、セールまで残る可能性が高いものと、そうでない商品について大体把握しています。そして、セールまでに売り切れてしまう商品から上顧客の方に販売していきます。お客様もそのことを理解しているので、信頼関係のできたスタッフのおすすめする商品は入荷後、すぐに購入するのです。さらに、スタッフはセールになる前のタイミングで、自分のお客様の好みの商品がセールになりそうであれば店頭から引いてしまい、そのお客様にまず紹介していくのです。セールの時期に買い物に行ってもなかなか思い通りの商品が手に入らないのは、そんな理由もあるのです。
［まとめ］
ショップスタッフから一目置かれるお客様の特徴について、ここまでお話ししてきました。どのお客様も始めは、ただの一般のお客様です。目当てのショップで日常的にお買い物を楽しむ延長でスタッフ達とも仲良くなり、来店頻度もお買い物も増えていき、その店の上顧客になっていくのです。そんな素敵なお客様にはスタッフもついつい、いつもよりサービスしてしまうものです。スタッフとコーディネートの相談をするのはもちろん、買い物に関係のない会話を楽しんだり、時にはプライベートまで仲良くなれたり、商品をただ購入するという行為以上の付加価値がネット通販にはないリアルな店舗の醍醐味とも言えます。もし、気になっている商品を販売しているショップがあれば思い切って入店して、スタッフから接客を受けて購入してみてはいかがでしょう。
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