料理で使うレードル、いわゆる"おたま"はキッチンで使わない日は無い程、使用頻度の高いアイテムです。味噌汁やカレー、シチュー、おでんなど、おたまがなければ不便で仕方ありません。さて、おたまと聞いてイメージする形は大体皆さん同じではないでしょうか。しかし、そのおたまはどれもこれもが同じ形をしている訳ではありません。素材もステンレス、木、プラスチックなどいろいろです。また、価格も100円均一で販売しているものもあれば、デパートの高級調理器具コーナーで扱われるものもあったりと、ピンキリです。
今回は、我が家でも大活躍している柳宗理のレードルについて、使い勝手の良さをお話していきます。
[柳宗理というデザイナーについて]
戦後日本のインダストリアルデザインの確立と発展における最大の功労者として、確固たる地位を築いた柳宗理。工業デザインとしての機能性の追求のみに留まらず、視覚に訴えかける芸術性を併せ持つデザインが特徴です。また、普段の生活に溶け込む製品を数多く手掛けて、高度経済成長に湧く日本においてその生活の質を向上させることにも貢献しました。グッドデザイン賞を受賞した製品をいくつも手掛けたことが、その証明であると言えます。没後もその多くのデザインや思想は、国籍や世代を超え人々に愛されて続けています。
1)すくいやすさ
おたまの機能として最も要求されるのが、すぐやすさでしょう。おたま部分は他社製品が正円形となっているのに対して、柳宗理のレードルは、おたま部分の形状が楕円形となっています。この楕円形がポイントとなっていて、例えば汁物の場合には、楕円の細くなっている部分が最初に汁に浸ることになりますが、細くなっているため豆腐などの具材を潰すことなくスムーズに掬うことができます。また、楕円形のおたまは、鍋の側面に添いやすいため最後までしっかりと掬い取ることができるのです。さらに、お椀に鍋から掬った汁を注ぐときにも正円のおたまでは、液ダレを起こしてしまいがちですが、楕円形の細い部分から注ぐ事によってびっくりするほど液ダレを起こしません。我が家では柳宗理のレードルSサイズを使用していますが、見た目よりも深さがあり掬う量も申し分ありません。
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2)持ちやすさ
おたまは手で握って使用する物ですから、持ち手部分の柄のつくりも非常に重要なところです。握りにくい柄では、当然注ぎにくかったり、掬いにくかったりと余計なストレスを感じてしまいます。柳宗理のレードルの柄は、他社製品にあるような直線でなく、微妙なカーブがついていて柄が、若干うねるようなデザインとなっています。これは工業デザイナーである柳宗理が使用する人の目線に立って持ちやすさについて配慮したデザインとなっているからです。柳宗理のレードルを持って使用したときの手に馴染んで、前から使っていたようにしっくりくる使用感は、この持ち手のうねりにあるのです。
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3)洗いやすさ
調理器具の宿命とも言えますが、洗いにくい器具は必ず淘汰されます。調理と後片付けは必ずセットになっている為です。どんなに使いやすくても、後片付けに手間がかかるのでは使う人も億劫になってしまいます。おたま部分が金属で、持ち手がプラスチックといった製品もよく見かけますが、接合部分に汚れが残ってしまったり、衛生面でも心配になります。柳宗理のレードルは、ステンレスの一体成形となっている為、そのような心配もありません。また、汚れもこびりつきにくくスポンジでサッと拭くだけで汚れも落ちやすく清潔な状態を維持できます。また、ステンレス製なので錆びる心配も基本的にありません。
価格:2,530円 |
[まとめ]
ここまで、柳宗理のレードルのおすすめポイントについてお話ししてきました。正直、私も以前はおたまなんて、どこの物を使っても一緒だろうという考え方でした。しかし、洋服を扱う職業で、身につける物には気を配っているのに家の中は、手抜きばかりというのもいかがなものかと思い始めて、毎日使う物だし、どうせなら気にいったデザインを長く使いたいという考え方に変わっていきました。事実、少し割高ではありますが、そうやって集めた品々は今でも多くが現役で活躍しています。自宅のキッチンでも悪目立ちしないどころか、見せる収納として表に出しておいてもストレスになりません。いざ、人を招いたりしたときにも慌てて片付けなくても良くなります。むしろ、そのアイテムから相手との話が弾むことがあるかもしれません。今回は、柳宗理のレードルの機能性に焦点を当ててお話ししてきました。身の回りの物を少しでも納得のいくお気に入りに替えてみたいと思われた方にはおすすめの製品としてご紹介させてもらいます。
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