バッグは、ハイブランドに代表されるように持つ人のアイデンティティを表現する意味合いもあり、コーディネートの一部として重要なアイテムです。当然のように流行の形やカラーもあって、ショッピングの目的にもなります。メインで使うバッグには多少、価格は高くても気に入ったデザインやブランドを選びたいとお考えの方も多いのではと思います。今回、ご紹介するのは、英国のバーミンガムを発祥とするバッグブランドのブレディです。このブレディのバッグは私も思い入れのあるブランドで、アパレル会社に勤め始めて、初任給で購入したのがこのブレディのショルダーバッグでした。当時は私自身も知識が少なく、どのような由来のあるブランドなのかはよく分かっていませんでしたが、店内に陳列してあるその佇まいと風格は、右も左も分からないアルバイト店員から見てもその他の品物と比べて群を抜いて素敵に見えました。また、同僚や知人のアパレル関係者でも愛用者が多いブランドでもあります。今回は、男女を問わず多くの業界関係者からも評価が高いブレディのバッグの魅力についてお話ししていきます。
[ブレディとは]
ブレディは、ジョン&アルバートのブレディ兄弟が1887年、バーミンガムにて創業したブランドです。もともとは、狩猟用のライフルを収納するガンケースを製造していましたが、創業者の息子達がフィッシングやハンティングで使用するバッグを作り始め、それらの製品が大変な評判となりました。現在でも製品の生産はバーミンガムにあるウォールソールの自社工場にて、熟練の職人の手による手作業で丁寧に製作されています。130年を越える歴史を誇るブレディは、創業当時のスタンスを貫き、良質な製品を作り続けています。
1)こだわりの素材と耐久性
ブレディは、ガンケースを製作していたことから屋外、つまりアウトドアでの使用を前提とした製品作りにこだわっています。多くのブレディ製品に使用されている表地は、ドリルドロップ素材と呼ばれており、高級生地ブランドとして知られるイタリアのリモンタ社のツイル素材の間にポリウレタンの膜を挟み込んだ三層構造となっています。また、生地表面には汚れが付きにくいコーティングを施し、内部に水を染み込ませないよう防水構造となっています。
バッグの開閉を行うレザーのフラップベルトには、高い耐久性とねばりが特徴のブライドルレザーを使用しています。使い始めは、硬いブライドルレザーは使用するたびに柔らかくなり、使いやすくなっていきます。また、ショルダーベルトも耐久性を考慮したミリタリースペックとなっており、摩擦にも強く、重たい荷物にも耐えうる仕様となっています。
価格:49,500円 |
2)トラディショナルで上品なデザイン
ブレディの創業当時、ゲーム感覚でハンティングをしていたのは一部の上流階級の人達でした。ブレディの顧客の多くは富裕層だった訳です。当然、彼らは自分達の使う持ち物には、使い勝手や耐久性といった性能面はもちろん、気品と高級感を求めました。そんな上流階級の顧客を満足させたデザインは、今でも受け継がれていて、大きなデザインの変更もなく当時から存在する品番が今でも、生産、販売されているのです。武骨で男性的要素が強いと思われがちですが、ブレディ自体が女性用のフィッシングバッグを開発したりと、男女を問わずに使用できる製品作りにも力を入れている為、女性が使用した場合でも野暮ったさもなく、爽やかなスタイリングに仕上がります。ブレディが醸し出すトラッドな上品さの理由がお分かり頂けるかと思います
【正規取扱店】ブレディ バッグ エイボン Brady AVON ショルダーバッグ レディース メンズ 斜めがけバッグ ブレディー 価格:19,800円 |
3)コーディネートのしやすさ
さまざまなファッションスタイルが登場していく中で、ブレディのバッグはそのいずれにも対応する懐の深さがあります。もともとアウトドア、トラッドのテイストを持つブランドですが、カラーチョイスをブラックに変えるだけでも、デザイナーブランドを使ったスタイリングにも違和感なく解け込んでいきます。基本的にはドレスやスーツといった特殊な正装以外のスタイリングにはほぼ対応できるのは、ブレディの歴史背景や用途から考えても納得できます。
教科書どおりでいけば、デニムやチノパンにオックスフォードのシャツ、セントジェームスなどのバスクシャツ、足元はキャンバスのスニーカーやローファーといったところです。アウトドアで使うマウンテンパーカーなども相性が良いでしょう。もちろん、スカートやワンピースなどのアイテムにも対応できます。バブアのジャケットに、シャツを着用してロープタイ、細目のデニムに、足元は革靴といったトラッド合わせもメンズの目線からは素敵に映りますが、ブレディはもともと、フィールドでラフに使う想定ですから、必要以上に気を使う必要はありません。
価格:27,500円 |
[まとめ]
ここまで、ブレディのバッグの魅力についてお話ししてきました。その機能性や、風格、実生活での使い勝手などを含めて優秀なバッグであることがお分かり頂けたかと思います。私が初任給で購入したバッグはいまだに現役で活躍しています。私が気に入っている点は特に、人の手による丁寧な仕事で、世に送り出された製品であることです。使う人のことを考えながら、作り込まれたブレディのバッグは、所有者とともに成長するバッグと言えるでしょう。安くて、品質が良ければ良い商品という考えも正しいことであると言えますが、目に見えない価値を自分なりに評価してそこに対価を支払う、そんな考え方もまた、正しい姿なのではと考えてしまいます。
Add to favorites