マリンテイストの着こなしに留まらず、普段着の定番として活躍するボーダー柄のカットソーはワードローブに欠かせないアイテムの一つです。ボーダー柄といえば、セントジェームスと並び称されるブランドとして、オーシバルが挙げられます。私もこのオーシバルは長らく愛用していて、販売員としてももちろん自信を持っておすすめできるアイテムです。
今回は、このオーシバルの代名詞であるラッセルボーダーのカットソーについてお話ししていきます。
［オーシバルとは］
１９３９年にフランスのリヨンでチャールズ・バルト氏がマリンＴシャツの製造を目的にフランス中部のオーヴェルニュ地方のオーシバルという小さな村にちなんでブランドを創設した。パリでスタートしたオーシバルは、戦争の難を逃れるため工房をリヨンに移設しました。１９５０年代からは、フランス海軍の制服としてマリンTシャツを提供したことで由緒あるブランドとして認知度を高めます。１９７０年代からはファッションアイテムとしての製品を世界中に発信して、現在に至ります。製品の左の裾に蜜蜂のマークがありますが、一説としてどんなに遠くに飛んでいっても必ず自分の巣に戻ってくる蜜蜂の帰巣行動にあやかり、戦地に赴く兵士が必ず故郷に戻って来れるように、という願いをアイコンとして表現しているとも言われています。
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1）丈夫でケアが楽
オーシバルを代表するラッセル編みのパネルボーダーカットソーは、その明るく爽やかな印象とは違ってフランス軍の制服として採用されていました。つまり、丈夫で機能性に優れていることが認められていたということになります。もちろん、演習やトレーニング時にも使われていた為、洗濯にも強く、荒っぽい扱いにも耐え得るワークウェアという立ち位置がオーシバルの真髄であると言えます。
オーシバルに使用されているラッセル生地は、一般的なカットソー生地に比べると糸を非常にたくさん使った、複雑な構造となっています。
糸を大量に使うこの生地は、非常に耐久性があって粘り強く、身体の動きを妨げない柔軟性を備えています。また、大量の糸を使用することで、糸と糸の間に細かい隙間が作られる為、通気性にも優れています。さらに、使用者の体型に段々と馴染んできて、着込むほどに着心地が良くなるのも大きな特徴と言えます。
気を遣わず、汚れたらガシガシと洗ってまた着用するということが前提として作られている点は、同じくフランスが発祥として知られるデニムにも通じるものがあります。
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２）フランス製のこだわり
世界的なブランドの多くが、自国での生産から海外での生産へとシフトしていった中で、オーシバルは、伝統的なマリンシャツについてはフランスでの生産にこだわりを持っています。中でもラッセル生地を編むことができるマシンはフランス国内でも数台しかなく、編むのにも時間がかかり、大量に生産できない生地となっています。世界的にフレンチカジュアルが認知されてきて、採算を考えればラッセル編みにこだわらず、生産拠点を移せば似たようなカットソーをコストを抑えて大量に生産することは充分可能です。あえて、そこに手を付けずに自国生産にこだわる方針が、オーシバルの価値を逆に高めていると言えます。これは、地域で作られる伝統的な工芸品が、その地域の風土や歴史的背景、作成者の技術や情熱を投影して、価値を高めることに近いかもしれません。製品を購入するユーザー達は、そういった目に見えない魅力に触れたいという願望を持っています。オーシバルのラッセルボーダーのカットソーには、そういった魅力が詰まっていると言えます。
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３）コーディネートのしやすさ
フレンチカジュアル、マリンルックは今やレディース、メンズを問わず、受け入れられているコーディネートです。つまり、オーシバルのラッセルボーダーのカットソーも非常に使い勝手の良いアイテムと言えます。ボトムは、パンツはもちろん、スカートやショートパンツ、サロペットなど様々な組み合わせが広がります。また、カットソー自体のサイズをアップしてオーバーサイズに着こなしたり、ジャストサイズで、インナーとして活用するなど振り幅があるのも特徴です。デニムで合わせればフレンチカジュアルの王道ですし、カーゴパンツで合わせると、ミリタリーテイストが楽しめますし、チノパンで合わせれば、アメカジのテイストにも対応できます。さらに、パンツも細身、ワイドとシルエットを選ばないところもポイントです。足元も、革靴、スニーカー、サンダルと全体のテイストに合わせて自由度が高い為、オーシバルのラッセルボーダーカットソーは、クローゼットの即戦力であると言えるでしょう。
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［まとめ］
ここまで、オーシバルを代表するラッセルボーダーのカットソーが持つ魅力について、お話ししてきました。優秀な機能性と、コーディネートに取り入れやすい点、フランス生産にこだわるプライドは、他社の追随を許さないものがあります。洋服は、食べ物や住まいと違って、無ければ無いなりにしてしまいがちなところもあります。しかし、人の個性を際立たせたり、自己実現のツールとして、また人間らしく生活する為には無くてはならないものです。ボーダーのカットソーは世の中に溢れていますが、本場の本物を身につけることによって、見えてくる世界もあるのではないでしょうか。今までとちょっと違った自分になりたいと思ったときに、オーシバルのラッセルボーダーカットソーに挑戦してみてはいかがでしょう。
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