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優河の"めぐる"を聴いて思わず涙腺が崩壊してしまった3つのワケ

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ある映画の作中で流れた音楽が、しばらく耳を離れませんでした。その映画は、認知症となり徐々に記憶を無くしていく父親とその家族について描いたヒューマンドラマでした。最初に、劇中で流れた歌声を聴いて、不思議とどこか懐かしくて、妙に引き込まれていく感覚を憶えました。私は、このとき今後の自分の生き方や進む道に思い悩んでいました。私は洗練された中にも少し雑味のある暖かい歌声に、"自分らしく生きたらそれでいい"というメッセージをもらった気がしました。今回は、優河のアルバム"めぐる"を聴いて、私が感じた事についてお話します。

[優河(yuga)]

1992年東京生まれ。
2011年からシンガーソングライターとしての活動を開始。2015年、1stアルバム"Tabiji"をリリース。2018年発売の2nd"魔法"。翌年公開した映画「長いお別れ」の主題歌"めぐる"を書き下ろし、同タイトルのEPをリリースしました。
全国各地でツアーライブやフェスにて音楽活動を積極的に行うほか、TVCMのナレーションや歌唱、サウンドロゴなど幅広い活動を展開しています。

1)声

シンガーソングライター優河の魅力の一つとして欠かせないのは、その歌声です。透き通るような歌声は、ただ単に美しいだけでなく、やや雑味とクセがあり人間くさいところが印象的で、耳に心地良く引っかかってきます。ライブハウスで多種多様なミュージシャンと触れ合い育まれてきた彼女の歌声は、きれいに純粋培養されたというよりも、天然の素材の味ともいうべき荒削りで力強さを感じさせてくれるものです。ただ美しい声では、耳に残らずさらりと聴き流してしまいそうですが、聴く人の耳にシンガーの個性そのものをぶつけるような彼女の歌声は、印象的で記憶に残るものと言えます。彼女の歌声と出会った時、私は会社での人間関係が上手くいかず仕事で行き詰まっていました。家族のこともあり、すぐに辞めることもできずにストレスを溜め続ける毎日の中、たまたま映画館で彼女の歌声を聴いてついつい涙を流してしまいました。人間の本当の幸せは案外すぐそばにあって、それに目を向けるのか、向けないのかだけの違いであることを歌を通じて伝えてもらった気がしました。疲れた心と身体を、力強くそして優しく包み込んでくれる歌声は、さながら大陸を雄大に流れる河を思わせてくれます。

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2)歌詞

彼女の歌詞については、言うまでもないでしょう。曲作りでは必ず作詞から行うという、彼女の一言ずつに想いを乗せた独特な表現は、幻想的でさえあります。アルバムのオープニング曲の"めぐる"は、映画の為に書き下ろされた楽曲で、映画の世界観を見事に表現しています。普段使いの言葉をつないで、聴く人のイメージに訴えかける、懐かしく、そして物憂げな歌詞に心を鷲掴みにされました。映画の主題歌である"めぐる"の歌詞の中に、"胸の奥で涙は空に消え〜"の一節があります。生きていく中で哀しみもいずれは消えて、素敵な想い出として昇華されていく…だから時間がかかってもいい、前を向いて少しずつ歩んでいくことを忘れてはいけない、個人的にそんな捉え方をしてしまいましたが、人間関係に疲れ果てていた私の気持ちをゆっくりと前向きにしてくれました。難しい言葉を並べて、表向きなイメージ先行の詞では本当の意味は伝わりません。彼女の詞は聴く人のシチュエーションによって、気持ちに寄り添いながら、なおかつダイレクトに訴えかけてくる魅力に溢れています。

3)映画との親和性

アルバム"めぐる"を語る上では、中野量太監督の映画"長いお別れ"についてもお話ししておかなくてはなりません。この映画の為に、書き下ろされた表題曲の"めぐる"は、深みのある詞と優河の抱擁力のある歌声により、涙を誘う曲に仕上がっています。映画作中で、認知症が進行していく父親は、どんどん記憶を無くしていきますが、今までプライドや意地が邪魔して出来なかったことを本心に従って、行動していきます。父親の本音や、本当に大事にしていたこと、最後まで忘れずに大事にしていた想いに家族は気づき始め、自らの問題に向き合っていきます。人の想いは、めぐりめぐって大事な人に届いていく…"めぐる"には、映画の作中で訴えたかった内容が見事に表現されているのです。

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[まとめ]

優河のアルバム"めぐる"には、彼女の魅力が星のように散りばめられています。映画の世界観を表現するのみに留まらず、聴く人の記憶や心情に訴えかけて、ささくれだった心を癒やし優しい気持ちにさせてくれます。私にとってもこのアルバムは人生の岐路にあって出会えた特別な作品です。迷いや悩みは生きていく上では避けて通れませんが、その経験は人生をより奥深いものにしてくれます。このアルバムには、人が生きていくことの素晴らしさと生きているが故に苦しくなる葛藤が表現されているように感じました。敢えて、楽な道を行かずに困難な道を選ぶようにも見えるシンガーソングライター優河、その歌唱力、詩の才能、表現活動全般を今後も注目していきます。

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